DESIGNER INTERVIEW #03
身体を通し、動き、
日常の中で纏われることで、
その表情は少しずつ変化していく。
ENFÖLD、någonstans
クリエイティブディレクターの
植田みずき氏が26FWで描いたのは、
そんな“変化する美しさ”。
彫刻作品から着想を得た構築的なフォルムや、
自然の風景、スポーツの要素を取り入れながら、
それぞれのブランドらしい新たな表現へと昇華した。
今季のテーマやインスピレーション、
そして服づくりへの想いについて話を聞いた。
―植田さんは普段、
どのようなところからインスピレーションを
得ることが多いのでしょうか。
もともと美術館に行くことが好きで、
よく足を運んでいるんです。
今季は特に、コンスタンティン・ブランクーシや
バーバラ・ヘップワース、
マーク・マンダースといった
彫刻家の方々の作品から
多くのインスピレーションを受けました。
彫刻の立体感、木を削ったときの素材感や
木目のイメージなどの質感も
今回のコレクションに反映しています。
―今季のおすすめアイテムを教えてください。
ENFÖLD 2026FWは
“雨”をひとつのテーマにしていて、
雨のシーズンでも楽しく着られるものを意識しています。
このプリーツのワイドブラウスは、
ホワイトがシャツ地、ブラックがジョーゼット地の
2つの素材で提案しています。
プリーツもただ広げるのではなくて、
バストにかかる下の部分まではタックを抑えて、
そこから自然に広がる設計にしました。
そうすることで、ボリュームが出すぎず、
すっきりとしたバランスで着ていただけます。

“SHIRRING SHIRT”は
壊れた傘をイメージしたシャツです。
ベーシックなシャツにシャーリングを入れており、
1枚で主役になるアイテムです。
シンプルになりがちな夏の時期にも
華やかさを加えられます。

någonstansの2026FWは
“カヌー”をテーマにしていて、
水辺で過ごすような心地よさや
軽やかさをイメージしています。
このシャツは、テントのようなIラインのシルエットで、
身体との間に空間ができるように設計しています。
裾は幅をもたせて折り返すことで、
自然にフレア感が出て、
立体的なフォルムをキープできるようにしました。
袖にはボタンを付けていて、
開けることで風が通るような軽さも感じていただけると思います。
素材はレーヨンとポリエステルの混紡で、
シワになりにくく、日常でも扱いやすいものを選んでいます。
気負わずに、ラフに楽しんでいただける一着です。

―今回のコレクションの中でも、
アウターがとても印象的でした…!
この「CIRCLE COAT」は
今季のテーマである「Living Sculpture」を
象徴するようなアイテムです。
彫刻のような丸みのあるフォルムを表現したくて、
立体感には特にこだわりました。
360度どの角度から見ても美しい円形に見えるよう、
細かくダーツを入れながら膨らみをつくっています。
また、素材にはブークレを使用しています。
表面に凹凸があることで、
彫刻の持つ質感や陰影を表現できればと考えました。

「SCARF COAT」は、
ミニマルなコートにスカーフをつけたデザインです。
頭に被って結んだり、
首元に垂らしてストールのようにしても素敵で、
さまざまなアレンジを楽しんでいただけます。
今季のコレクションを象徴する一着として、
特におすすめしたいコートです。

―服づくりにおいて、
大切にしていることを教えてください。
毎シーズンENFÖLDもnågonstansも、
テーマを持って服づくりをしています。
そのテーマをどう表現するかを考える時間はとても大切ですが、
どんなコンセプトであっても
最終的には“人が着るもの”であることを
忘れないようにしています。
デザインとして面白いだけではなく、
実際に袖を通したときに心地よく感じられること、
自然と手に取りたくなることを大事にしています。
彫刻のように静かでありながら、
身体を通すことで表情を変えていくフォルム。
自然の風景やスポーツから着想を得た、
軽やかな機能性。
変わらない美しさと、着る人によって生まれる変化。
その両方を受け入れながら、
服というかたちで提示される新たなバランス。
植田みずき氏が描く
ENFÖLD någonstans 2026FWは、
着る人それぞれの感覚にそっと委ねられた、
静かで自由なコレクションとなっている。
※すべての商品は税込み価格で表記しています